アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

月光

月光の震える音が静かな夜を満たします
此岸と彼岸の間で
月光の震える音が
波頭を耀かせながら
砂浜に吸い込まれていきます
老人の硬い肉体は蛹
わずかに開かれた唇から
蝶が飛び立っていった
震える月光に乗り
耀く波頭を越えて
死んだ子どもに会いに行きました