アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

シュタイナー講演録『人間の魂と動物の魂』1910(明治43)年11月17日#16

Nun denken wir uns jetzt einmal folgendes,
われわれはここで、
以下のように考える他にないのであります。

ich rede,

weil die Dinge mehr oder weniger subtil sind,
事態はいずれにせよ微妙ではありますが、

in Gleichnissen:
比喩的に言えば、

Denken wir uns das,
つまり、
われわれはこう考えるのであります。

was der Mensch vollbringt mit Ich-Wesenheit,
人間が、
自我本質によって実現するもの、

Begriffsvermögen und Lautsinn,
すなわち、
概念化能力と音声感覚とは、

so wie es sich hineinergießt wirklich zunächst mehr oder weniger in das Gleichgewicht,
実際に、
まず、
なんらかの均衡のなかに流れ込むのであります。

in die Eigenbewegung und in das Selbstbewußtsein,
固有の動きと自己意識との間、

später in die freie Gebärde,
後には、
自由な仕草、

in die freie Mimik und in die das Innerliche verratende Physiognomie,
自由な動作と内面を伝える顔つきの間に。

von vornherein mit einer Notwendigkeit zusammenwirken,
ここで初めからある必然性が作動いたします。

so daß sich zwischen diese zwei,
その結果、
この両者の間には、

beziehungsweise drei Seiten kein Ich hineinstellt.
第三項としては、
自我が立ち入る隙は無いのであります。

Denken wir uns also das Ich ausgeschaltet und so die beiden Seiten der menschlichen Natur aufeinanderwirken,
われわれは、
自我が拒絶されているとも考えるのであります。
その結果、
人間性の二つの側面が相互作用し、

daß gleichsam durch einen nicht zum Bewußtsein gekommen Lautsinn,
言わば、

der das tiefste Innere auslebt,
自己意識に到達しない、
しかし深い内面性を生きる音声感覚によっては、

von vornherein in seinen Erlebnissen eine ohne das Dazwischentreten des Ich bewirkte Herstellung des Gleichgewichtes zustande kommt,
初めから、
自我によって確立されている均衡の関聯性が、
経験できない状態にあるのであります。

so haben Sie etwas,
ですから、
皆さん、

was beim Menschen offen bleibt,
ohne ein Dazwischentreten eines Ich hergestellt:
人間の場合には、
自我の関わりがない何ものかに関して、
自由なのであります。

das ist das,
was dem Tier sein Gleichgewicht von vornherein bestimmt.
これはつまり、
動物においては初めから(自由の効かない)定まった均衡のことなのであります。

Und denken Sie sich die Vorstellung,
皆さん、

wodurch der Mensch seine Gesetze und die tierische Gattung erfaßt,
人間がどのような概念によって人間の理や動物の属を把握するかを思い浮かべて下さい。

das heißt,
すなわち、

die ganze Organisation,
器質が全体として、

insofern sie Eigenbewegung ist
固有な動きをしている限り、

und wo sie Physiognomie und Mimik ist,
それらが相貌と動作としてある限り、

in der ganzen Bewegung des Tieres ausgedrüeckt
それは動物の総体としての運動において表現されているのであります。

- was ausgedrückt wird in den tierischen Instinkten,
Leidenschaften und so weiter -,
(そして動物の本能と情熱等に表現されているもの)

so haben Sie wieder dasjenige,

durch eine naturgesetzliche Notwendigkeit im Tier verbunden,
動物における自然法則的必然性に結びついているものが、

was der Mensch in seinem Leben so hat,
daß sein Ich verbindend dazwischen tritt.
皆さんの人間としての生においては、
再度、
自我に結びついて現れるのであります。

Wieder haben wir beim Tier durch naturgesetzliche Notwendigkeit verbunden,
ここでも、

was im Menschen der unmittelbare Ausdruck des Lebens ist.
人間の場合には直接の生の表現たりえているものが、
動物においては自然法則の必然性によって束縛されているのであります。

Beim Menschen arbeitet die Lebensgestaltung noch hinein in die Form.
人間においては、
その形態のなかに生が具現化しているのであります。

Denken Sie es sich aber nicht mehr aufgespart für das Leben,
sondern unmittelbar durch die Naturwirksamkeit gestaltet,
(人間の場合のように)生のために残されているものが何も無く、
直接自然法則によって(形態が)形成されている場合をかんがえてみて下さい。

dann haben Sie es gattungsmäßig,
wie es uns in der Plastik der verschiedenen Tiergattungen entgegentritt.
その場合に、
個別的な動物種属の塑像が、
どのように、
属に従って、
われわれの前に現れるか、
対峙して下さい。