アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

万能細胞の夜(七月の改稿)

ある晩
小保方博士の試験管から逃げだしたSTAP細胞猫は
空腹のあまり博士を食べてしまいました

気がつくと”彼女”は
持ち前の万能細胞力で
自ら博士の姿を再生していたのです

純情な彼女は
上司と理研の圧力を真摯に受け止め
博士の名誉のために論文を執筆し
”ネーチャー”に投稿しました

「どうして人間は競争するのかしら?」
 猫は闘争し競争しない
 猫は剽窃し建設しない

「でも雨は苦手
 人間の世界で私はどうしたらよいのかわからない」
 
      〈一匹の猫が日本を徘徊してゐる

   〈〈すなわち万能細胞の怪物である

〈〈〈古い日本のあらゆる権力は
  この怪物を退治するために神聖同盟を結んでゐる〉〉〉

本当のことを言っても
だれにも信じてもらえない
悲しい夜
明るい満月の屋根の上で
猫たちがあなたのすてきなキャット・ウオークを夢見ている