ある晩
小保方博士の試験管から逃げだしたSTAP細胞猫は
空腹のあまり博士を食べてしまいました
気がつくと”彼女”は
持ち前の万能細胞力で
自ら博士の姿を再生していたのです
純情な彼女は
上司と理研の圧力を真摯に受け止め
博士の名誉のために論文を執筆し
”ネーチャー”に投稿しました
「どうして人間は競争するのかしら?」
猫は闘争し競争しない
猫は剽窃し建設しない
「でも雨は苦手
人間の世界で私はどうしたらよいのかわからない」
〈一匹の猫が日本を徘徊してゐる
〈〈すなわち万能細胞の怪物である
〈〈〈古い日本のあらゆる権力は
この怪物を退治するために神聖同盟を結んでゐる〉〉〉
本当のことを言っても
だれにも信じてもらえない
悲しい夜
明るい満月の屋根の上で
猫たちがあなたのすてきなキャット・ウオークを夢見ている