アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

復活(第三稿・改)

白昼の屍は自らの力で復活する 
降りしきる雨の中で
あらゆる紙と文字を溶かしてしまう輝く雨の中で

白昼の屍たちは自らの力で復活する


苔生す
古代図書館の闇の中で 
巨石の圧力を一身に引き受けながら

霧深い
クスコの山頂で 
自らの心臓を鷲掴みにしながら

屍たちが復活する
屍たちが自らの力で復活する
 
溢れ出る洪水の中で
溢れ出る地中の洪水の中で

「主よわが穢れを清めたまへ」
「主よわれらが穢れを清めたまへ」

地中の屍たちは自らの力で復活する 
囲繞する氷の壁を破砕しながら

「雨の神チャック・モールは偉大なり!」

女装のチャック・モールが地中の扉を叩く

溶け落ちる 燃料棒 
滴り落ちる 古代文明
燃え落ちる 地中の城

チャック・モールが扉を叩き続ける
四十六億年の時間の洪水の中で

 もし、
 人々が、
 この家の主人をベエルゼブルと呼んだのであれば、
 彼らはなおさら、
 その家の者たちをどんなにか悪し様に言うであろう。

屍たちは自らの力で復活する 

汚物神の家の中で
悪い夢から目覚める 
炎上する地中の城で

そのときチャック・モールは気づく
初めから扉など無かったことに

 だから彼らを恐れるな。
 なぜなら、
 隠されてしまったものでも、
 あらわにされずにすむものはなく、
 また隠れているものでも、
 知られずにすむものはない。


われわれは復活する 

降りしきる雨の中で
あらゆる紙と文字を燃え上がらせる炎の雨の中で

明け染める東天の紅
夜明けの屍は自らの力で復活する

アルパにしてオメガである者よ!
アルパにしてオメガである者たちよ!