アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

放射能漏洩レヴェルが新たな段階に入った。福島第1原発:1号機湯気から4000ミリシーベルト計測の意味。

今日も風邪で家に引きこもる。本当はマガジン9の雨宮処凜と鎌田慧原発労働者の公開討論会に行く予定だったが、残念だった。今日の午後、福島第一原発からの放射能漏洩は今までとは違うレヴェルに移ったようだ。発表が必ずしも「事象」の直後とは限らないので、既にこの状態が長く続いていたと考えた方が良いのではないかと思う。私はきちんと情報を追いかけていないので断言できないが、ロボットで近づいて観測したらこんなに高い値であることが分かったということかもしれない。毎時4000ミリシーベルト(=4シーベルト)は、もはや人間が近づける環境ではない。3月18日の発表データの4千倍だ。すでに燃料が炉底に溶け落ちている圧力容器内部から漏れた水蒸気の値としてはそのくらいにはなるのだろう。発表では、建屋の一部の値であると云うことだが、一号炉では建屋が著しく破壊されている(以下のIAEAのデータも参照)ので、これがそのまま外部環境に漏れ出ているとしか考えられない。今更、言わずもがなであるが、一般人は、モニターの値も参考にしながら、できるだけこの地域から遠い場所に逃げるしかない。近郊の児童、若者は、有無を言わせず避難させた方が良いと思う。早ければ早いほど、将来の健康被害は少ないはずだ。こんなことは今更私が云うまでも無いが。それにしても、現場の作業員、技術者は、本当に命を削って仕事をさせられていることになってきた。菅を一刻も早く引きずり下ろし、ともかく今までとは規模の違う大作業で放射能の封じ込め作戦を実行しなければ、いよいよ国家のカタストロフが現実味を帯びてくる。政治家、特に小沢氏よ、ぐずぐずしている場合ではない。原発推進だろうが反対だろうが、すべてはこれを何とかしてからの話である。優先順位の問題だ。この一号炉と同じことが三号炉(プルトニウムMOX燃料)で起きたとしたら、もはやこの現場で作業できる人間はいなくなり、日本もいよいよおしまいに近づくだろう。それでよいのか。バカな!

_____以下貼り付け開始____

福島第1原発:1号機湯気から4000ミリシーベルト計測

福島第1原発1号機の原子炉建屋内で、湯気が立ち上る配管の床の貫通部=2011年6月3日、東京電力提供
 東京電力は4日、福島第1原発1号機の原子炉建屋1階南東で湯気が立ち上り、毎時4000ミリシーベルト放射線量を計測したと発表した。事故後に屋内外で測定された空間線量の中では最高で、同原発事故対応に限って引き上げられた被ばく上限の250ミリシーベルトを約4分で超える高い値だ。

 1号機では、原子炉圧力容器内の核燃料の大半が溶けたとされている。建屋地下1階には圧力容器を覆う格納容器の圧力抑制プールがあり、核燃料由来の高濃度の汚染水がたまっている。湯気が見つかった付近には、地下1階からつながる配管があり、壊れたプールから漏れた水が湯気となって、高濃度の放射線量が検出されたとみられる。

 放射線量は、3日に遠隔操作ロボットが入って測定した。東電は「これほど高い線量が出ているのは建屋内の限定的な範囲で、従来の収束計画に大きな影響が出るとは考えていない」としている。

 4000ミリシーベルトは、一般人の年間線量限度(1ミリシーベルト)の4000倍に相当し、一気に浴びると半数が死ぬとされる。【平野光芳】

毎日新聞 2011年6月4日 13時45分(最終更新 6月4日 16時31分)

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以下は今となっては旧いデータだが、IAEAによる5月5日付けの報告書からの転載である。


図1 福島第一原発1〜4号炉の状態。赤が危険、黄色が注意、緑が問題なしを示す。問題の一号炉の建屋が著しく損傷している。


表1 一号炉の安全性評価。臨界以下が維持されている。しかし、多くはないが中性子線と短寿命の同位体が検出されている。私の知識では、崩壊だけでは中性子線は出ないので、核分裂反応が散発的に発生(継続すると臨界)していたと言うことか。

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