アームチェア人智学日記 改

或る奴隷博士の告白

怖い夢

大きな川を俯瞰している。なにやら暗い。夜のようだ。
深くそこそこ広い川だが、よく見ると泳いでいる人がいるので、驚き、少し心配になる。
私の記憶では、この川は泳げるほどきれいな川ではなかったのだ。
しかし、川の水は暗く澄んでおり、夢の中では私にはそれが納得できる理由があった。
大きな船くらいの大きさの黒い生き物が流れてくる。
どこかの山で見た、清流を流されていくサンショウウオを思い出す。
それが泳いでいる子供の後ろに流れてくる。
いやな気持ちがした次の瞬間、それが子供の脚を咥える。
そして、私の目の前に立った。
口からは、黒い物体が脚を咥えられたまま逆さまにぶら下がっている。
私たちは室内にいるが、ガラス戸を隔てた目の前で、それが黒い物体を脚から少しずつ飲み込んで行く。
ガラス戸を開けて、子供を助けることを考えるが、恐ろしくて私にはそれが出来ない。
その黒いものの前面にA4くらいの紙が貼ってあり、私の名前が書いてある。
次の標的の名前だ。こどもが鉛筆で走り書きした警告なのだ。
同じ部屋にいる人が、それのいる前面ではなく、側面のガラス戸を開ける。
私は、反射的にそれを閉めた。そこで夢が終わった。
誕生日の朝の夢だった。